会場のざわめきに納得する。帰宅部の歴史とは深いものだ。
絶対神こと会長さんは、ほぼテンプレ通りのありがたいお言葉を話している。
正々堂々帰宅するようにとか、怪我なく周囲の迷惑をかけないようにとか、極当たり前なことをペラペラと。
まあ大会の開会式ってこんなもんだよな。開会の言葉を考える方も大変だ。
そろそろ終わりかなぁっと思っていると、会長さんは口の両端を吊り上げて不敵な笑みを浮かべた。
「帰宅神の活躍、そしてゴット・オブ・ゴットの華麗な帰宅を、私自身楽しみにしています」
その言葉を最後に、会長さんは檀上から降りた。
ゴッド・オブ・ゴッド? なんじゃそりゃ。
またまた先輩に小声で尋ねると、聞き耳を立てていたのか「なんだ知らねーのかよ」と、部長が割って入ってきやがった。
「帰宅神の中の帰宅神。それがゴッド・オブ・ゴッドだ」
部長は続ける。



