『それで、お前はどうするんだ?』


先ほどの武力行為はなかったかのように、宙が尋ねる。


どうするって……なにが?


ポカーンとしている俺に感づいたのか、呆れたように小さく溜息をついて再び文字を打ち直した。


『帰宅道やらを見つけなければいけないんだろ? 俺には全く持って意味不明なことだけど』


「んなこと言われたってなぁ……」


実家に帰りたくない俺が帰宅部に所属しているのは、九割先輩がいるからだ。


残りの一割は、帰宅部には変わった奴らが多くて面白いからという浅い理由。前者も十分浅いけど。


一応宙の家に上がり込んでるけど、それは本当の帰宅とは言えない。


俺と宙はどんなに仲が良くたって、家族にはなれないのだから―――