帰宅部全国大会


なんとなく、先輩にはバレているんだろうとは思っていたけど、こうして口にされると動揺を隠せない。


なんで今更? 確信が持てたから?


先輩は俺から言葉を発するのを待っているのか、力強い眼差しを送るだけで口を一文字に結んでいる。


ここで逃げることも出来るだろう。先輩が逃げ道を作ってくれたから、「話したくない」の一言でこの話題を終わらせることも出来る。


すぅっと息を吐く。とりあえず、状況整理。


「どこで知ったんですか?」


「最初はただの勘だ。家庭の事情に首を突っ込むのは趣味じゃないので黙っていたが、実は先日君の担任から相談を受けてな」


「え? 先生が?」


「君のことを心配していた。何を心配しているのかは個人情報という理由で聞き出せなかったが、力になってくれと頼まれた。無論、君を帰宅部に招いた時からそのつもりだったがな。それで確信を持てたということだ」


あの野郎、余計なことしやがって。