チャイムを鳴らしたら、中からバタバタと元気な足音が響いてくる。


ガチャッと鍵が外れた音がしてドアノブを捻ると、小さな女の子が飛び付いて来た。


「お帰り、海斗君!」


「おお、芽衣ちゃん。ただいま~」


俺の腰ぐらいの身長しかない芽衣ちゃんは、俺の足元に絡まったまま離れない。


良かったな芽衣ちゃん。俺がロリコンさんだったら、今頃芽衣ちゃんの顔面に(自主規制)所だったぞ。


なとど、くだらない下ネタを思い浮かべながら芽衣ちゃんを優しく引き離し、家の中に転がり込んだ。


「にぃに、海斗君が帰って来たよ!」


芽衣ちゃんのお兄様にして俺の数少ない友人である宙は、キッチンでなにやら鍋を掻きまわしている。


お、この匂いは肉じゃがかな? 宙は和食派だもんなぁ。


『どの面下げて帰ってきやがった不良息子』