トントン。



しばらくドアのまえに座り込んで考えてたら、


「はい?」





「あの、桜姫です。」



ドアをあける。

「どうした?」

「あの…鍋って使ってる?」

首傾げながら、上目使いでこっちを見る。

「使ってないけど?」

「私の部屋、鍋だけ置いてないの。」

困った顔をする桜姫。

自炊しけなればいけないから、調理器具は一通りそろっているはずなんだが…

「借りる?」

「貸してください。」


「はい。」

「ありがとう!」

鍋を桜姫に渡すと、ものすごく可愛い笑顔を見せてくれた。

そんな顔しないでくれ。

ただでさえ、惹かれてるのに、



好きになってしまう…

「?」

「鍋、ずっと使ってていいよ。2つあったし。」

「本当?」

パアァと笑う桜姫。

だから、そうゆう顔しないでくれ。

キスしたくなる。

「うん。」

「本当にありがとう!」


ちゅっ。