バス停の所で俺は、110番通報をしようとするが、男を捕まえているため出来ないことに気づく。



『ゴメン。通報できるかな?
両手が塞がっていて出来ないんだ。』



「はい。」



彼女はケータイを取り出し、
少し離れた所で通報した。






「…はい…はい……お願いします。」



ピッと短い機械音が通報し終えた事を教えてくれた。



『大丈夫だった?』



「はい。すぐに来るそうです。」



『そっか…。』



「はい…」



その後は2人の会話は無く、
ずっと無言のままだった。



その沈黙を破ったのはパトカーのサイレンの音。



警官がパトカーから降りてきて、
すっかり大人しくなった男を俺から受け取った。




「協力ありがとう。気をつけて帰るんだよ。」



そう言うと警官はパトカーに乗っていってしまった。