「姫様!」 忠良の支えで馬に乗ろうとしたとき 忠良の声と共に私の目の前で矢が通り抜け、私の隣にあった木に刺さった。 「南東の方向からか…姫様、ご無事でしょうか?」 「ええ、私は大丈夫よ。こんなの日常茶飯事じゃない。」 そう、日常茶飯事なの。 いつもいつも、お茶会の前に私は誰かに狙われる。 けど一度も当たった事はなく、意図的に外される。