「こないだから元気なくない? 大丈夫?」
「こないだって……花火の日のことですか」
こないだと言えるほど最近のできごとではないけど。
一番最近小山に合ったのはその日だ。
「そう。線香花火好きみたいなこと言ってたわりに楽しそうじゃなかったから」
あの日、野々宮と付き合うことになった後はほとんど記憶にない。
いつもは一番の楽しみの線香花火もあっという間に落としてしまうし、帰り道もぼーっとしていて(いつもぼーっとしているがそれが比じゃないほどぼーっとしていた)
さぞつまらなそうに見えたことだろう。
「すみません。なんか、いっぱいいっぱいで……」