雨、のち虹




「……信じてみない?」

二本目の花火が消えたとき、野々宮が言った。

「え?」

「俺と、付き合ってみない?」

空耳かと思った。
まだ騒ぎながら何本もの花火をしている百瀬と彩矢の声や音で何か違う言葉が聞こえたのだと。

しばらく黙ったまま突っ立っている千鶴の顔を覗き込んだ。

思わず後ずさりをする。
変な聞き間違いをした後なので恥ずかしい。

「あの、今何て……」

「さっきの俺の言葉、信じてみて、俺と付き合わないかって……言ったんだけど」

はっきり目を見て言われ、聞き間違いならこんな真剣な顔をしないんじゃないか、とか二回も同じ聞き間違いはしないんじゃないか、とか思ってしまって。