―――コンコン…


いつものようにドアをノックして中に入った。


「瞬いる?」


あたしは息吹とバイバイして

少ししてからすぐに瞬の小屋にやって来た。


「すーっ…。」


椅子に腰掛けて、ペンを握ったままで

瞬は眠っていた。


「ふふっ…。がんばり屋さんだな。ほんと…」



―――あたしはやっと分かった。



「完成したんだね…。」



―――好きっていう気持ちが



「素敵な絵だね…瞬。」



―――どれだけ大切な想いなのか…



「あたしと瞬、息吹と真凛ちゃんの
4人で笑いあってる暖かい優しい絵…。」



      そして…


   簡単に、好きの想いは

   取り消せないんだって…。



「ねぇ瞬、あたし、初めて会った
あの日からずっと…好きだったんだ。」


あたしが瞬の髪にそっと触れると


「好きって…何が?」


と瞬が急に目を開いて、

あたしの目をじっと見つめた。


「えっ…瞬、寝てたんじゃ…//」


「お前の声でかいから起きちまった…」