―――キーンコーンカーンコーン


チャイムの音と


「篠原さん、お昼よー!」


と誰かの呼ぶ声に思わずバッと目が覚めた。


「お昼って…嘘っ!寝過ぎたっ!」


あたしが勢いよく起き上がると

その勢いのまま、ベッドから転がり落ちた。


ドサッ…と言う音と共に


「ちょっ…篠原さん!?」


と先生の驚く声があたしにふりかかる。


「……いた…い…」

     ...
ベットから落ちるなんて…。

何て日なの…ほんと…。


「ちょっと!気を付けなさいよ?」


先生は私に手を差し伸べた。


「はぁい…。」


あたしはその手を取って又起き上がった。


今日はほんとついてないな…。


あたしはそんな事思いながら瞬のいる

あの小屋に向かって、保健室を出た。


そして、小屋の前でノックして中に入った。


ドアを開けて顔をひょこっとのぞき込むと、

瞬が、ゲッ…と言いたげな顔をしていた。


もしや、この顔は……


「瞬っ!!お昼食べてないのっ?」


「――…食べ…た。」


あたしはじっと真顔で瞬を見た。

これ……絶対嘘だっ!


すると、瞬はあたしから目線を離して、


「ごめん……ほんとは食べて…ない。」


と言って下を向いた。

あたしは小さく笑って、


「やっぱり!これよかったら、どうぞ。」


とお弁当を瞬に差し出した。


「あ…えと…。」


「このくらいさせてよ。謝って、お礼しなくちゃいけないこと、たくさんあるんだからさ…。」


「じゃ…いただきます」