あたしがそう思いながら、

ボーッと考え込んでいると…


「はい。ちょっとごめん!!通して!」


と聞き覚えのある声が皆の間を

すり抜けて、近づいてきた。


「大丈夫かよ…?心愛。」


そう言ってキョトンとする瞬。


「うっ…うん。大丈夫!」


あたしがそう言って瞬に笑いかけた瞬間、

あたしの体がふわっと浮いた。


「よし、分かった。大丈夫じゃないな!!
お前、頭打ってただろ?保健室いくぞ!」


「え…!?ちょっと、瞬?////」


あたしは瞬にお姫さま抱っこされてしまった。


そして、皆に注目されちゃってる…!!

やだやだやだっ!恥ずかしいってば!


あたしが少し足をパタパタさせて、

首を横に振っていると……

       ...
「暴れんなよ…落ちるぞ?」


と瞬に言われてあたしはパタパタしていた

あさ足を止めた。

...
落ちる…って占いの…っ!?


あたしは恥ずかしいけど

仕方なく瞬に掴まった。


「それでよし!!」


瞬はクスっと笑うとあたしを

そのまま保健室に運んでいった。


「失礼します…ってあれ?先生いねーの?」


瞬はあたしをベッドの上におろすと、

救急箱から大きな絆創膏と消毒液を出して、


「ん…前髪上げて…?」


とあたしの顔の近くで囁いた。


あたしは少しだけ赤くなった顔を下げて


「え…はい//」


と前髪を上げた。


すると瞬は少し血の出たおでこをさっと

消毒して、絆創膏をピタッと貼ってくれた。


「ん。よし、出来た。」