「今はあたし…」


あたしが困って下を向いていると、


「迷ってるのよ…。」


と真凛ちゃんが間に入ってきた。


「え…?」


二人は驚いたようにあたしを見る。


「だから息吹くん、瞬、交代で二人ともと踊れば良いじゃないの?片方が私と踊って…」


「あっ…あぁ。そうだな。」


「じゃあ先に僕と踊ろう心愛!」


息吹があたしに手を差し出す。


「うん!喜んで…」


あたしは息吹に手をのせた。

息吹はあたしを優しくリードしてくれる。

でも…


「あたし、あんまりダンスって経験ないから…」


「大丈夫。それは僕も同じだよ!
何を言おう心愛の幼馴染みだからね!」


「へへへ…何か恥ずかしいな…///」


経験があまりないのに

息吹ったらダンス上手だもん。


やっぱり息吹は凄いや…!


そして、少し時間がたって、

あたしは息吹に一礼して、瞬に交代した。


瞬はそっとあたしの手を取って

いつもと違う優しい笑みを浮かべていた。


「瞬は何であたしを誘ってくれたの…?」


あたしの気になってた事。

だって、もっと他にいたでしょ?

あたしなんかより可愛い子なんて…


「俺、前にフラれたけど
やっぱり諦めきれなくて…//」


瞬は少しだけ口元を隠したかと思うと、

すぐにあたしの手を取った。


「フラれたって誰に!?」


「お前に!」


「えっ!あたしーっ!?」