「あの…息吹、ありが………」


―――ぎゅっ…


あたしがそう言い終わる前に

息吹はあたしを抱き締められた。


皆があたし達の方を見ている…。


「駄目だ…君から目が離せない。僕は怖いんだ。」


「息吹…?」


「君からちょっとでも目を離せば、君は他の
誰かに目移りしてしまうんじゃないかって…」


「………。」


息吹はあたしの体からゆっくり離れて

そっぽを向いた。


「心愛…ごめん。休んでて。」


なんで…?


あたしはドキドキしていた。

今まで幼馴染みだから意識なんてしなかった。


なのに…なんで…?


これじゃ、あたしは瞬と息吹の

どっちが好きなのか分からない…


「心愛ちゃん…大丈夫だった!?」


皆があたしを心配してしてくれる。


「後は俺達に任せとけよ。」


「ありがとう…。」


あたしの止まった心が又大きく揺れだした。


あんなに小さくて…幼稚園児の時はあたしのが

大きくて、いつも守ってあげてたのに…


今は息吹のが大きくて腕を大きく広げて

あたしを守ってくれてた。


信じられない…今まで気付かなかった…


「あたし、息吹の事……好きなんだ///」