「心愛ちゃん、瞬君は?」
女の子に声をかけらて私は思わず振り返った。
「えと…ちょっと前にどっか行ったような……」
「そっか、急いで衣装直したんだけどな…。」
あっ…困ってるんだ…。
「あたし、探してくるよ!!」
ついでに気分転換としますかっ!
「あっ…ありがとう!」
女の子はあたしに手を振った。
あたしはニコッと笑って走っていった。
「ねぇっ瞬どこにいるか知らない?」
途中で見かけた男の子に声をかけると、
「あー瞬なら男子寮戻ったよ~!」
と言ってニコッと笑って歩いていった。
「それじゃ、あたし、呼びに行けないじゃん!!」
あっ…そうだ!!ちょっと呼び出すだけだもん。
さっきのウィッグ被ればバレないよね!?
あたしは男子寮の瞬の部屋へと向かった。
―――トントンッ…
「おじゃましまーす…」
あれ―?返事がない。
瞬、寝ちゃってるし…仕方ないか。
「ん…?あれって…。」
あたしは恐る恐るテーブルの方へと
近づいていった。すると………
「やっぱりそうだ!!あたしのマグカップ!!」
あんなにバラバラに
割っちゃったのに直してくれたんだ…。
「ありがとね…瞬。」
直されたマグカップの隣にメモをおいて、
あたしはその場を去った。