あたしは又後ろを向いて、
違う所へ試食しにいった。
「まったく…強引な奴…。」
あたしが少しムスッとしていると……
「そうでもして一緒にいたかったのよ。」
「まっ…真凛ちゃん!?」
「ふふっ…。」
真凛ちゃんは少し辛そうな顔をした。
あたしは思わずうつ向いた。
「そりゃ友達同士でやった方が気が楽だしね」
瞬だってそんなに深い意味はないだろーし…
「私には友達以上の行動に見えたけど!?」
「へっ!?」
あたしがポカンとしていると、
「まぁ…あれはあれで面白い物
見れたから今は消えてあげるわ(笑)」
と、急に真凛ちゃんが皆に
聞こえるような大声を出した…。
すると…
「面白くねーよっ!!」
と瞬が壁から覗いてきて、真凛ちゃんに
一言だけ言った。
そして、またすぐに顔を引っ込めた。
何あれ……やっぱ瞬って、変なの…。
ーーーーーーーーー瞬sideーーーーーーーーー
「瞬、心愛ここに居るだろ?呼んできてくれよ。こっちで俺らと作業してほしいんだけど。」
俺は突然声をかけられ、料理していた
手を止めた。
「…心愛なら外出てった。」
俺はそう言って又、フライパンに火を着けた。
試食を頼みに来た様子だった男子は
「サンキューっ!!」
と言って俺に軽く手を挙げて
そこからかけていった。
だけれども、どうやら心愛に
そんな俺の声が聴こえていたようで…
隣の壁から心愛がひょこっと顔を出した。
「ねぇ、あたし、ここにいるんだけど?」