「あははっ心愛ちゃん凄っ!」
「へへっ!それじゃ、一つ目のレシピは
最後にゴマだれドレッシングで決定だね!」
あたしはそう言って味見をしていた2人の元を
離れていった。すると、皆がざわざわしだした。
「アイツと一緒にいると和むよな。こっち誘ってみよか!!」
「心愛、ちょっとこの料理も食べてみてーっ!!」
料理を作る皆があたしに試食してもらおうと
あたしに呼び掛ける。
「はーいっ!今行くっ!」
あたし、少しは役に立ててるかな?
「おい、心愛!こっち人足りねーんだけど…。」
瞬があたしに手招きする。
「瞬!分かった!!この試作品食べてから行く」
あたしがそう言うと瞬があたしの方を見て、
面倒くさそうにこっちに歩いてきた。
そして、あたしに試作品を渡そうとしている
男の子のお皿を取り上げて、
―――むぎゅっ…
と男の子の口の中にトマトを1つ入れた。
「悪いけどコイツ、トマト食えねーからっ!!」
あたしが驚いて瞬の方を見ると、
女の子たちもそれをバッチリ見ていたようで…
「きゃーっ瞬君に食べさせてもらってる!!」
「羨ましい~っズルい!!」
女の子達が瞬にトマトを放り込まれた男の子の
周りを囲って騒いでいる。
皆がそうして、どうこうしているうちに
あたしは瞬に背中を押されて、
少し皆から離れてしまった。
「ちょっ…瞬!」
「………………。」
何なのよ…?黙らないでよ…。