ーーーーーーー【息吹side】ーーーーーーーー
「じゃあ寮祭の準備はじめーっ!!」
「おーっ!!」
皆の気合いが高まった。
僕は思わず隣にいる清水を見た。
「まさか君が心愛にハマるなんて意外だったな」
僕はわざとらしくそんな事を言ってみた。
すると清水も……
「そっちこそ。…でも最初はわざわざ人とぶつかる心愛を子供っぽいと思ってたのよ。」
と僕の方を見て困ったように笑った。
「……ふーん」
「でもそうじゃなかった。心愛は逃げないだけ。向き合う怖さを乗り越えていけるほど強い…」
「…………ん。」
「だからどうしようもなく惹かれてしまうのかもね…。瞬には私を1人にしないでほしいなんて今更、言えないわ…。」
「残念ながら僕は負けず嫌いでね。瞬は心愛にフラれたみたいだし今がチャンスだから。」
「ふふっ…観察でもしておくわ」
「はぁ?なにソレ!協力してくれないの?」
「まぁ、気が向いたらね…。」
「えぇ…っ!」
「まっ…頑張りなさい…。」
そう言って清水は僕の元から離れていった。
「可愛げね~奴…。」
僕が思わず呟いたことばは空に消された。
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