「あっ…えと…やっぱ、あたし脱いだ方が……」


あたしがそう言って試着室の

カーテンを閉めようした時……


皆があたしの腕を急に引っ張った。


「きゃぃぁぁぁあ!!」


えっ…?何?


「可愛い~っ!!」


パシャパシャッ…


まっまぶし…!カメラのフラッシュが…



「アリね!!天然系執事もアリね!!」


真凛ちゃんはその場に突っ立ったまま、

うんうんと頷いた。


「真凛ちゃん、そんな事言ってないで助けて~!!」


あたしが皆に囲まれてあたふたしていると、

急に瞬が入っていた試着室のカーテンが

ガラッと開いて瞬が中から顔を出した。


「似合うじゃん!」


「えぇっ!瞬までぇ…!?」


あたしが瞬の方を向いて立ち止まると…

しーんとなって皆が一斉に瞬の方を見た。


「あれ…瞬君?」


「なんで一人だけ着てないの?」


「早く着てよー!何の為に
試着室いるのか分かんないじゃん!」


女の子たちのテンションが一気に下がった。

瞬は少しだけ慌てた様子で


「べっ別に今じゃなくても
当日着るんだから良いだろ?」


と執事服を持ったまま、ケロッしていた。


「え~っ!!」


女の子達のブーイングの声が上がった。