「はい、注目!寮祭の執事服出来ましたっ!」


「きゃーっ!!」


「4人とも早く着てみて!」


「真凛と心愛ちゃんはウィッグもね!!」


そ…そんなっ…!本格的過ぎるよ!!

あたしがポカンと大きく口を開けていると…


「面倒くせぇな…。」


と聞き覚えのある声が後ろから聞こえてきた。


もしかしてっ……


「瞬……?」


あたしが後ろを振り返ると、

瞬はハットしたようにあたしの顔を見て、


「おっおぅ!…はよ。」


と軽く手を上げた。


良かった…。

友達だから堂々と側にいられるし、

気まずくなるより全然こっちのが良い。


あたしはホッと一息ついた。


そしてそれからすぐに、皆で

別室に移動して執事服に着替えた。



「着てみたけど、どうかな?」


そう言う息吹の声と


「ウィッグって面倒よね…。」


と面倒そうな真凛ちゃんの声がした。


「……きゃあぁぁあっ!!」


「正統派執事、息吹くんとS系執事の真凛♡」


と皆の声のボルテージも上がっていく。


……………にしても

真凛ちゃんって凄い美人だから格好いい……!

ウィッグが重たいのは同意だけど(笑)


あたしは試着室のカーテンの隙間からこっそり

真凛ちゃんと息吹の姿を見て改めて

自分の姿を鏡で見つめた。