ーーーーーーー【瞬side 】ーーーーーーーー
―――バタンッ…
ドアを開けて寮の部屋に帰ってくると…
「おかえり。また門限やぶり?心愛とデートでもしたの?最近仲良いしね。ほら…この間も…」
と少し嫌な顔をした息吹がいた。俺は真顔で、
「フラれてきた。」
と答えた。
すると息吹は驚いていた。
「君、他人には興味ないって言ってなかった?一体どういう心境の変化?」
「俺にも分かんねーよ…。ただ…」
ただ…好きの気持ちが膨らむばかりで…
「なりふりかまわず追いかけたいくらい、
心愛が好きだって気付いたんだ…。」
あいつを笑わせたいって…
好きなんだって…気づいたんだ…。
「まったく、負けねぇぞ…。
お前に心愛は渡さないからな。」
そう言った息吹の顔はとても良い顔をしてた。
俺達の恋はまだ始まったばかり…。
傷ついても諦められないと思える人に
出会ったのは初めてだったんだ……。