あたしは小屋を出てて、寮に戻ってきた。
「あら…。帰ってたの?」
「うん……。」
「けやき祭で執事服を着ろって言われたの…。で、あなたも着るならいいってOKしたわ…。」
『心愛も同じ格好しろよ!!』
あっ!!瞬と同じだ……。
「あははっ…ずっと昔から
一緒だもんね。そりゃ、似るわけだ…。」
私は思わず涙が溢れてしまった。
真凛ちゃんが凄く驚いた顔して
こっちを向いていた。
「ごめ…泣くつもりじゃなかったんだけど…」
バカだな…あたし……。
失恋してもこんなに大好きだなんて……。
真凛ちゃんが優しく頭を撫でてくれた。
「私だって、泣きたいわよ…。」
「えっ…。」
「あなたが思ってる程私は強くないわ。
瞬の心が私から離れていくようで怖い…。」
「―――…。」
「毎日怖くて…仕方がない。あなたと恋の
ライバルになるなんて思ってもなかったし…」
真剣にあたしの方を見る真凛ちゃん。
瞬の事を一番知ってて、気持ちを伝える事に
最も怯えていたのは本当はあたしよりも
真凛ちゃんなのかもしれない。
「でもお互い頑張りましょ。」
そう言って笑う真凛ちゃんは
今、どんな気持ちでいるの…?