あたしが振り返ると息吹は
「心愛もコスプレするんだよね?」
と小さく笑った。
「う…うん。」
いや、でも…男装だよ?
あた……あたしが…男装だよぉっ!!
「じゃあ心愛は僕がはかってあげる!!」
息吹はそう言って急にメジャーを私から
取り上げて私の肩幅を測りだした。
「えっ!!いいって…」
「ほら、ごちゃごちゃ言わない。じっとして…。」
いや、そんなじっと見られたら恥ずかしいよ…
近すぎて分からなかったんだけど息吹って
凄くかっこいいんだな…。
おっきな背中、優しい笑顔、長いまつげ…
皆が騒ぐ理由が分かるよ…。
「よし!!できた。それじゃ、これ提出しとくね!!」
「ありがとう。」
「うん、じゃあ!」
「又明日ね。」
こうしてあたしと息吹は別れた。
「よーし、帰ろっか。キィちゃん!!」
………ってあれ?
キィちゃんがいない!?
「そういや、昼休みに瞬の所に忘れてきた!!」
ど…どーしよ!!
―――コツンッ
「いった…。」
何かがあたしの頭に直撃した。