「あたし、瞬の事分からない。すぐ、冷たく
するくせに……。キライなら優しくしないで。」
「ちっ…違っ…!俺は!!」
―――グイッ
突然瞬に私の体が引き寄せられた。
「キライなんかじゃねー!」
真剣な顔でちょっと照れたみたいな赤い顔…
そんな顔されたらあたし……
なんも言い返せないじゃない……
ズルいよ……。やっぱり瞬はズルい。
キライじゃないって触れられただけで、
どうしてこんなに嬉くてドキドキするのよ…。
「ほらっ…やるよ。」
そう言ってあたしの手に渡されたのは……
「これって…。」
瞬のチューリップの絵が
入ったマグカップだった。
「キライな奴にこんな事しないから…。」
瞬はあたしが1人で、
淋しいって気づいてくれたんだ。
意地悪で、感じ悪くて、不器用で、
ムカつく奴だけど…
誰より優しい心を持ってる。
そんな所が好きなんだって
思っても良いのかな……。