あたしが思わず振り返るとそこには…
「息吹と遊びに行ったんだって?足はもういいのかよ!?」
そう言ってムスっとした顔の瞬がいた。
何コイツ…。朝はあたしを無視したくせに!!
「関係ないでしょっ!!」
「んだよ、それ……。足治ったなら連休に実家帰れそうだなって言おうとしたのに…。」
そういえば、回りの子達もさっきから
なんか話してる…。
『家帰ったらどーする?』
『う~ん…。地元の友達と遊ぶかな!』
って感じで楽しそう……。
でもそんなの…
「あたしは家が遠いし、親がいないから…。足はもう、ずいぶん良くなったけど帰れないよ…。」
「そうなのか…。」
あたしは瞬がコップをかたずけるのを
見ていた…。
「あっ!皆、自分のマグカップ使ってるんだ!!」
「あぁ。強制じゃねーけどな。」
「いいな……。」
ここが居場所だっていうしるしみたい……。
「………なんだよ?ホームシックか!?」
「ふっ…ぶさけないでよ!!帰っても誰も
居ないんだし、そんなのならないもんーっ!」
あたしがそう言って腕を組んで見せると、
瞬がいきなりあたしの足の方を見た。
えっ…何?
「ちょっとこっち来い!!」
ストン……。
「え…?」
私は階段に無理やり座らされた。


