そうだよ…。

あたしなんかよりも………


「それで瞬の大切な物、守れるならっ…!!」


「なっ……。」


カッとした様子の女の子達があたしを

殴ろうとしてきた。


だけど……あれ…?痛くない…。


あたしが目を開けてみると


あたしは殴られていなかった。


グーの手があたしの顔のギリギリで

止まっている…。


女の子の後ろから誰かが腕を掴んでいたんだ。


「はい………そこまで。」


「しっ…瞬くん!!」


女の子の手があたしの顔から引いた。


「わりぃけどペン返して!?」


「あ…あの…。」


「大切な物なんだ。心愛が必死で
取り返そうとしてくれた分もっと
諦めちゃいけない物になったんだ!」


「…えっと…ごめんなさい…。」



―――ダッ…


女の子達は走っていった。



「あ…あの…瞬。」


「ん………?」


「でしゃばってごめん」


「あっ…あぁ。」


珍しく瞬が普通な返事をくれた。

だけど……


「こらーっ!!そこの2人、何外出てんのー!」


「やっやば!!」


先生に見つかった!

けど、足をひねらせちゃったせいで

上手く歩けないや…。


「仕方ね~な…」


―――ひょいっ


「わっ!!」


あたしは瞬の背中に乗っけられた。