なんでいつも……
「絵もペンも大切なくせに
なんで簡単に諦めちゃうのよ!!」
「……大切だからこそ、
続けんのが辛くなる事もあるんだよ。」
又瞬が悲しい顔をした。
「でっ…でも!」
「もう、余計な事すんな!!」
「………っ!!」
あたしはその悲しい顔を見ていられなくて、
思わず瞬の手を振り払って走った。
やっぱり瞬はバカだ!!大馬鹿者だ!!
あたしはね…。
そんな事言われたってほっとけない奴なのよ!!
あたしは瞬のペンを持った女の子の居場所を
いろんな人に聞き出した。
そしてその女の子達を
見つけて旧校舎に呼び出した。
「何?こんなところに呼び出して…。」
嫌な顔であたしを見る彼女達。
「あのペンは大切な物なの。だから返して…。」
「又その話!?」
「転校生が調子乗ってると寮生の
女子全員敵に回すことになるけどいいの?」
そんなのやだよ…
でも…
「返してっ!!」
『大切だからこそ、続ける
のが辛くなる事もあるんだよ』
確かにそうかもしれない。
でもあたしは……諦めないで欲しいのっ!!
「あたしは仲間外れにされたって何だっていい。だから瞬には手を出さないでっ!」


