「いいから黙ってついて来い…。」


「………はぁっ!?」


いいから黙ってついて来い…

ってあんた、答えになってないっ!!


「あそこ、連れていくのはお前が
初めてだからぜってぇ秘密だからな…。」


「はいいぃ!?」


なにそれ…?ワケわかんない!!

大丈夫なの。それ?


そうして、あたしが瞬に連れてこられたのは

あまり目立たない木に隠れた小さな小屋。


「あれ…?この絵…。」


そこに飾られていたのは鳥が持ってきた絵と

そっくりなチューリップの絵だった。


「あまりジロジロ見るなよ!!」


瞬が少し私を睨み付けた。


だけどそんなの気にならないくらいに

あたしは不思議な気持ちになった。


だって…


「何で…。」


「えっ?」


「あのチューリップの絵、瞬の絵だったの…。」


だって……『こんな下手な絵、知るかよ』って

言うんだもん。


思わずひどい事いっちゃったよ…。


「……俺さ、本当は絵を書くの、もうやめようと思ってたんだ…」


「えっ…」


「この場所も元々は兄貴が使っていた場所。俺は兄貴にはかなわない。だからもう、ここには来ないって…」


「そんなっ……!!」



「でも…お前があんな風に俺の絵を褒めて笑ってくれるなら…。」


「えっ…?」


な…何?

一体何が言いたいわけ?


「だからっ……あぁっ///もうっ!!
絵を書くの続けるって事だバカ///」


ダルそうに頭をかく瞬。