「…じゃあ瞬?」
「何…?」
「えと…その…。」
「手伝って欲しいんだろ?少しは頼れよ。」
「うん。じゃあ瞬…あたしを手伝って!!」
「了解」
私の持ってるジュースの半分を瞬が持った。
何こいつ……たまにはいいとこもあるんじゃん。
あたしはそう思ったけど、
直ぐに前を向き直して首をブンブンとふった。
そして、あたしと瞬は皆の待つ廊下に向かって
歩きだした。
「ねぇ…瞬?」
「何?」
「何であたしがここにいるって分かったの?」
「ん………?」
不思議そうにこっちを向く瞬。
「……ごめん。やっぱ何でもない!!」
「そっか。」
瞬がダルそうに頭をかいた。
あたしにはまったく瞬の思考は見抜けない。
「ほんっと可愛げない……」
あたしはボソッと呟いた。
瞬には聞こえてなかったみたいでホッとした。
そして、私達はやっとの思いで元の場所に戻っ
て来たんだけどそこにはもう誰もいなかった。
「7時、過ぎちゃったんだ…。」
見張りもたくさんいる。どうしようっ…。
「っ…仕方ねぇな。行くぞっ!」
急に真面目な顔で瞬が手を引っ張った。
「えっ?行くってどこに?」
いきなりすぎて分かんないよ!!


