小学校からバスケだけは俺の得意分野だった。

体育の授業では俺と新太郎だけが目立って先生に「周りにもパスしろ」とか言われたっけな。

汗まみれになりながらも、リングにボールを運ぶ。
それがかっこよくて仕方ない。

負けず嫌いの俺にはバスケは持って来いのスポーツだった。

「なー雅也」
「何?」
「バスケ部にさマネージャ作ってよ」
「マネ?」
「可愛い子限定で!」

まぁ、確かにマネージャがいてもいいかもな。
男まみれだと、暑苦しいもんな。

ここの学校は見事に女子の割合が少ない。

男子が6割、7割ってとこだろ。

男くさいし、周りは男ばっか。
おまけに俺の、ケータイのメモリーには女の名前なんか入っていなかった。