綺麗な洗われた赤ちゃんが、
私達の手元にやって来た。


「女の子ですよ。」


看護師さんから渡された
赤ちゃんはほんのり温かく、
そしてずっしりと重たい。


「重いですね。」


「ええ。

これが命の重たさですよ。」


看護師さんの言葉に、
命の大切さを改めて感じさせられ、
私は赤ちゃんを健さんに渡した。


オドオドとしながらでも、
しっかりと赤ちゃんを抱き締め、
すっかりパパの顔になっていた。


「パパの顔ですね。」


「姫子こそママの顔になっていた。

ありがとう、
大切な命がまた1つ生まれて、
守るものが増えた。」


「いいえ。」


私達はいつまでも、
赤ちゃんを見続けていた。