「う・・」


「しっかりして!!!」


お医者様の声が、
遠くで聞こえているのが、
私には分かったけど、
どうする事も出来ない。


「頑張れ姫子!!!!」


急に私の近くで、
健さんの声が聞こえ、
しかも誰かが私の手を握り締めた。


私は目を開けると、
汗だくになった健さんがいた。


「遅くなったが、
一緒に赤ちゃんの誕生を
2人で見よう!!」


「う・・・ん・・・」


私は目一杯の力を振り出し、
健さんが私の手を
ギュッと力強く握ってくれた。


「オギャ!!!オギャ!!!」


分娩室に大きな声が聞こえ、
私の目には沢山の涙が溢れ、
健さんを見ると私と同じで、
涙が溢れ出していた。