しかし頬を叩いたのは、
雛子さんではなく、
健さんだった。


「お前がどれだけ、
姫子を苦しめたのかを、
俺が知らないと思うのか？

お前の実家の不正、
そして姫子に対する嫌がらせ、
そんな事を踏まえて、
俺はお前との結婚を取りやめた。

俺は不器用な性格だが、
姫子を愛する気持ちは、
この世界中で誰よりも負けない。

どう接する事が分からない
俺は姫子に冷たい態度でしか、
出来なかったんだよ。

しかし姫子は俺に安らぎを与え、
俺がどんな態度でも、
同じ様にずっと接してくれた。

姫子に向き合おうとした
矢先、お前に誘拐され
レイプされた！！！！！」


健さんの冷たい言葉に、
冷淡な目は鋭く立花さんに
突き刺していた。


｛これが健の本当の姿。

お前にしか見せない態度は、
恥ずかしさ・素直さを
堂々と出せずにいた。

ちゃんと向き合え。

私とお前は入れ替わる。｝


私は自分の体に戻り、
今健さん向き合わないと、
いけない気がした。