自由の翼が欲しかった
私にとって
今は確かに自由だ。


だけど飛べない翼を持った
鳥でしか私は無かった。


{レイプされただけで、
男の元を去る必要性って
本当にあったのか?}


「あったに決まっています。

何人もの男が私をレイプして、
汚くなった私を健さんが
愛してくれると思う!!

絶対に拒絶するに!!!」


パ==ンと私の頬を、
雛子さんが叩いた。


{あんた本当に
彼の本心を分かっていない。

お前が眠りに付いている時、
健は立花を殺しに行くと、
父親や母親に言ったんだぞ。

健の知り合いの山内が、
何度も健を止めに入り、
ようやく落ち着きを
取り戻したのが最近なんだぞ。}


「嘘・・・」


私は健さんから拒絶される
現実を見たくなくって、
自分の殻に閉じこもり、
雛子さんの忠告も無視した。