次の日、
健さんが仕事に行った後、
私は荷物をまとめて、
迎えに来たお母様と、
マンションを後にした。


「本当に良いのですか?」


「ええ。」


私はお母様に連れられて、
ある場所に移り住んだ。


もちろん私の両親や、
健さんは一切知らないし、
知っているのはお母様のみ。



これで良かったんだと、
私は何度も言い聞かせたが、
納得していない人物は、
お母様だけではなく、
雛子さんもその1人だ。