お母様が帰るとき、
私の両手を包む込む様に、
握ってきた。


その手はとても柔らかく、
温かさが心まで染みる感じで、
涙が出そうになった。


「何かあったら、
私に言ってきて?
私は貴方の見方よ。」


「はい。」


お母様を見送った後、
私は自分の母を思い出した。


母もお母様も、
同じ手の温もりがあり、
私は母が恋しくなった。


母に会いたい・・・


母に抱き締めて欲しい、
今の私の気持ちを聞いてと、
私の涙は崩壊したのだ。