夜の11時を回っていて、
健さんの帰りを待っている。


今日は飲みに行くと、
朝から言われていたので、
先に寝ろと言われたが、
何だか目が覚めて寝れない。


健さんが呑みに行くと、
必ずと言って良いほど、
女性の香水の匂いがする。


「ただいま。」


「お帰りなさいませ。」


健さんがリビングに
入って来ると、
女性がつける香水の匂いが、
部屋の中を染めていく。



「先に寝ろと言った筈。」


「はい・・・。

中々寝れなかったもので、
健さんの帰りを待っていました。」


「け・・・」


健さんの言葉を遮る、
玄関のチャイムの音が鳴った。