「何をしている?」


健さんの声が聞こえて、
私は慌ててセーターを隠した。


「いいえ・・
何でしょうか?」


「コーヒー。」


健さんはそう言うと、
また自室に戻り、
私はコーヒーを入れた。


ちょっと濃い目が好きな
健さんは1日何杯も飲む。


私はコーヒーを持っていくと、
真剣な顔でパソコンに向かって、
仕事をしている健さんの顔が、
いつもと同じ冷淡な目をしている。


「コーヒーをお持ちしました。」


「ああ。」


健さんは私からコーヒーを
受け取ると直ぐに飲み、
私は部屋を後にした。