いきなり小春が止まった。
目的地に着いたらしい。
「着いたよ、奏。」
小春がこっちを向いて言った。
「ここさ、奏が行きたがってたじゃん。」
見上げるとそこにはカフェがあった。
そういえば、ルナと帰る時言ったっけ。
「とりあえず、座ろっ!」
小春が座ったのは店内ではなく、外だった。
それに続いて私達も座る。
「今日はボクのおごりだから、遠慮なく頼んでね。」
はぁ?聞いてないんだけど。
「な、何言ってんの?おごりって、かっこつけてんじゃないよ!」
私は怒鳴りつけた。
「え?かっこつけてるわけじゃないよ?だって女の子に払わせるのってありえないし。」
えええ!
何カッコイイ感じの言葉サラっと言ってんのよ。
「でっ、でもっ...」
と、言いかけた時、
「いいじゃん。チョコがおごるって言ってんだから。」
下を向いたままルナが言った。
「う、ううっ。」
私はメニューで顔を隠した。
メニューを見るとパフェの種類がいっぱい書いてあった。
「じゃ、あたしりんごパフェね。」
小春に向かってルナが言った。
小春は指で丸を作った。
こんなにあんのに決めるの早いな。
「奏は?早く決めなさいよ。」
せかすようにルナが言うから最初に目に入ったパフェを指差した。
「これ、これでいい。」
ルナと小春は「えっ」と言う顔をしていたが、無視した。
「店員さーん!」
小春が中に向かって叫ぶと小走りで店員が来た。
「ご注文はお決まりでしょうか?」
「えっとぉ、りんごパフェといちごパフェと極甘パフェください。」
「かしこまりました。」
店員は中に入って行った。
「楽しみだねぇ❤」
頬杖をついてニコニコしてる小春。
アホに見えてくる。