ツンデレ小悪魔♀×甘々癒し♂(超短編)

「本当にいいの?」
ルナが首をかしげて言う。
「別にアイツなんて気になってないんだからねっ!」
私はそう言いつつ小春のあとを追った。
小春は教室の前の廊下にいた。
「待ってっ!」
小春のシャツの裾を掴む。
「あのねっ、あの時はルナがいたから言えなかったけど。」
走ったせいで息遣いが荒い。
ハァハァハァハァ
スーハースーハー
息を整える。
「好きなのっ!」
瞬間、強い風が窓から吹き向ける。
「えっ、本当?」
小春は疑いのまなざしをこっちに向ける。
睨まれてるみたい。
「本当だってばっ!信じろコノヤロー!」
大声で言ってしまったため、みんながこっちを見る。
つい、本音が出てしまった恥ずかしさと、
皆の前で言ってしまった恥ずかしさで、
私の顔が赤くなる。
「うんっ、ボクも好きっ!」
ニコニコ笑顔で言う。
「何見てんのよ。見るんじゃないわよっ!」
そう言いい残して、この場を去る。
手をつないで屋上まで階段を上る。
「ねぇねぇ、ボクって今から奏の彼氏だよね?」
少し曇った表情をする小春。
でも、そんな表情もすっごくキュートで抱きしめたくなる。
気持ちいい風が吹く屋上。
邪魔者なしの2人きり。
最高のシチュエーション。
「そうだよ、小春は今から私の彼氏。」
私はすぐさま小春を抱きしめた。
「好き~。」
なぜか小春の前だけはツンのない自分なのだ。
すっごく不思議。
今まですっごく勘違いしてた。
ルナと小春が2人でいると嫌な気持ちになる。
これは、小春への嫉妬。
なのに私は小春への嫌な気持ちなのかと思ってた。
しかも、だいたい考える事は小春ばっかり。
出会ってから好きなのに、一目惚れなのに気付いてなかった。