1人でトコトコと早足で歩く。
「ねぇねぇ、君も夜遊び?一緒に遊ばない?」
後ろから声がする。
振り向くとチャラチャラした男の人が2人いた。
「かわいいし、俺たちにお似合いじゃんか。」
馴れ馴れしく肩に手を置く。
「やめなさいよ。お前たちに付き合ってる暇はないのよっ!」
手を払いのけてこの場を去ろうとする。
「逃げんなよ。」
手首を掴まれ引っ張られる。
「痛っ!だからお前らに付き合ってる暇は........」「ねぇ」
私の声をさえぎるように聞き覚えのある声が聞こえる。
「やめなよ。嫌がってんじゃん。」
声の方に顔を向けると、そこには小春がいた。
いつもより低い声。
「んだよっ!チビ、ヒーロー気取りか?」
チャラ男は小春に向かって殴りかかった。
怖い。
目をつぶった。
どさっ、と音がしたと同時に目を開ける。
そこには小春ではなく、チャラ男が倒れていた。
「ボクを甘く見るんじゃないよ?」
強い!可愛いのに強い!
「なっ、なめてんじゃねーよ!」
また殴りかかる。
それをスっとよけ、相手を投げる。
すごい。いいな。かっこいい。
タッタッタッとこっちに駆け寄る。
「大丈夫?ケガはない?」
コクコク頷く。
「大丈夫。ありがとう。」
そう言って微笑む。
「ツンのない奏も可愛い。」
そう言われた瞬間私の顔が熱くなった。
こんな奴がルナの彼氏か...。
「帰ろっか。」
「うん。」
小春に家まで送ってもらった。
でも、明日はルナのために頑張らないとね。