4人は別れてお守りの持ち主探しを行っていた。
お守り本体を持ったのは要。あとの三人はお守りを携帯のカメラで撮って、それを見せて回っていた。
「なあ、このお守り誰のか知らねぇか?」
秋葉が聞きまわっていたのは、運動部が集まる体育館や、武道館、グラウンドが中心だった。今は、グラウンドにいる人達を聞いてまわっているところだった。ちなみに、今聞き込みをしている相手は、黒い髪を二本に縛っている、多分、2年生の女子で、陸上部だと思われた。
「知らないわよ」
そっけなく返されて、秋葉はぼやく。
「んだよ、感じ悪りぃな」
そのまま歩き去っていく彼女を「ケッ」と軽く睨んで、振り返ると偶然、三枝の姿が飛び込んできた。
三枝はグラウンドの倉庫を覗いていた。
そのままそろそろと三枝に近づき声をかける。
「よう、先輩」
突然声をかけられて驚いたのか、三枝は肩をびくっとふるわせた。振り向いて、相手が秋葉だと分かると、迷惑そうに片方の眉を上げる。
「……なんですか?」
「先輩こそ、ここで何してるんすか?」
「倉庫の備品のチェックです。足りないものがあると言うので、申請書を受け取ったのですが、本当に足りないのか、確認をしにきたんです」
「はぁ~……なるほど。大変っすね」
「ええ、生徒会はつねに忙しいので。優秀な沢松を変なクラブに取られるのは迷惑甚だしいんですが」
思いっきり嫌味を言い放った三枝だったが、秋葉に通用するはずもなく「あいつがそんなに優秀なわけないっすよ~」と笑われただけだった。
そんな秋葉を引きつる笑顔で見つめて「じゃあ」とその場を去ろうとした三枝に、秋葉は
「ああ!」と声を上げた。
「肝心な事忘れてたわ! 先輩、コレ見た事ないっすか?」
お守りの写真を見せられた三枝は、眼鏡をくいっと上げて、無表情で答えた。
「さあ……知らないですね」
「そうっすか」
秋葉がそう答えると、三枝はゆっくりと秋葉を見ながら、くるりときびすをかえして歩き去っていった。
お守り本体を持ったのは要。あとの三人はお守りを携帯のカメラで撮って、それを見せて回っていた。
「なあ、このお守り誰のか知らねぇか?」
秋葉が聞きまわっていたのは、運動部が集まる体育館や、武道館、グラウンドが中心だった。今は、グラウンドにいる人達を聞いてまわっているところだった。ちなみに、今聞き込みをしている相手は、黒い髪を二本に縛っている、多分、2年生の女子で、陸上部だと思われた。
「知らないわよ」
そっけなく返されて、秋葉はぼやく。
「んだよ、感じ悪りぃな」
そのまま歩き去っていく彼女を「ケッ」と軽く睨んで、振り返ると偶然、三枝の姿が飛び込んできた。
三枝はグラウンドの倉庫を覗いていた。
そのままそろそろと三枝に近づき声をかける。
「よう、先輩」
突然声をかけられて驚いたのか、三枝は肩をびくっとふるわせた。振り向いて、相手が秋葉だと分かると、迷惑そうに片方の眉を上げる。
「……なんですか?」
「先輩こそ、ここで何してるんすか?」
「倉庫の備品のチェックです。足りないものがあると言うので、申請書を受け取ったのですが、本当に足りないのか、確認をしにきたんです」
「はぁ~……なるほど。大変っすね」
「ええ、生徒会はつねに忙しいので。優秀な沢松を変なクラブに取られるのは迷惑甚だしいんですが」
思いっきり嫌味を言い放った三枝だったが、秋葉に通用するはずもなく「あいつがそんなに優秀なわけないっすよ~」と笑われただけだった。
そんな秋葉を引きつる笑顔で見つめて「じゃあ」とその場を去ろうとした三枝に、秋葉は
「ああ!」と声を上げた。
「肝心な事忘れてたわ! 先輩、コレ見た事ないっすか?」
お守りの写真を見せられた三枝は、眼鏡をくいっと上げて、無表情で答えた。
「さあ……知らないですね」
「そうっすか」
秋葉がそう答えると、三枝はゆっくりと秋葉を見ながら、くるりときびすをかえして歩き去っていった。



