ニャー…と猫が僕から離れて行った。

ああ…さっきまで暖かかったのに。と思いながら目を開けようとした。


「ああ!我ながらナイスじゃないか俺!!可愛いよ直たん!」


開けようとした目は再度閉じた。

良く分からないが、身の危険を感じた判断だった。


この人は、梅月裕二で友達だ。だけど裕二は幼馴染みだと思ってるらしい。



「馬鹿じゃないですか?」


読み終えたのか、静かに本を閉じた音がした。


「気遣いというものがないのか。」


さっき僕から逃げ出した猫はというと、親友の青葉智貴の足元に居るらしい。