闇は表に立ってはいけない。

その闇に一度入ってしまうと抜け出すことはできない。


「……。」


起きたばかりの頭で耳に意識を寄せる。

誰かが潜りこんで来るのと、誰かが本を読んでる気配。


もう少し寝ようと手を離した時だった。



「起きて!」


バンッと戸が開いて被っていた布団をとられ、毛布だけになる。

先ほどまでの暖かさが減って、猫のように丸まった。