――――――――――― 「し…乃…よく聞く……よ。あなた……人間…で…ない…………。」 誰なの? よく聞こえないよ! 人間でないって… 私が? ど、どういうこと? 『あなたは誰…?』 「いい…。お兄………の言う…聞くのよ。」 何を言ってるのよ。 ここはどこなの。 私の……夢? 私の目の前には、かすれゆく涙を流す女の人の姿がある。 震える手を伸ばすと、その人は私を見つめて消えた。 あっ、待って!!! そう思うが、もう辺りを見回しても姿はどこにも無かった。