後ろを向き、倒れている男に近づこうとした時。


「っ!!」


急な目眩に襲われた。

耐え切れなくて、私は崩れるように倒れこんだ。

旅の疲れのせいもあるのだろう。

もう体は動かなく、声さえ出ない。


「おい!大丈夫か、総司!」


誰かの声が聞こえた。


「他には……ガキひとりか。」

「長州の奴か……?連れて帰るぞ。ガキは情報を吐かせやすいだろう。」


私は強引に腕をつかまれ、持ち上げられた。


意識がどんどん……薄れる。




リンッ~~~


どこからか、鈴の音が聞こえた気がした。