河のむこう




「ねぇ、そういえば・・・名前って聞いてないよ。」


「・・・・・」



「あたしの名前は・・・ふがっ!」


男性があたしの口をふさいだ。


「なにすん・・・」


「ここでは、自分の名を名乗ってはいけない。」


男性が言う。


「これも、試練のうちなんだ。この世にもどったら教えてやる。」


そんな試練があるんだ・・・


ていうか、口ふさがないでよ。おどろくじゃん・・・


「・・・将来の夢でも語るか!」


男性が明るめに言う。


「・・・あたしたちに将来なんてあるの?」



「・・・・・・・・・あるよ。信じれば。」


一度死んでるあたしたちに、将来や未来なんて考えられない・・・。


「希望。捨てるなよ。」


男性が優しく言う。


「うん」




あたしたちは、かえるんだ。


ふたり一緒に。