「大丈夫だよ。
それより、音ちゃんはよくここに来るの?」

「え?うん。
亜沙美とか海斗とか……あ、弟ともよく来るかな」

「無理矢理、連れて来るんだろ」

「ごめん、ごめん。
今度何か奢るからっ、ね?」

「ったく………」


そう言いながらも杉山君は全然イヤそうな顔はしてなくて。

本当に音ちゃんのことが好きなんだなって……そう感じた。


音ちゃんは結城先輩が好き。

結城先輩は音ちゃんが好き。

杉山君も音ちゃんが好き。


……三角関係。


私なんて入ることのできない三人の関係。


……何考えてんだろ。

……もう忘れるって決めたのに。


私は笑顔で話す音ちゃん達を見ながら、アイスティーを飲んだ。

全てを飲み込むように……。