どうして……。

どうしてこんなに胸が苦しいの……?


無事に消毒が終わり、満足そうに笑う結城先輩。


「ありがとな、沢木」

「いえ……」


先輩が笑顔を見せる度に……ドキドキして……でも、なぜか切なくなる。


「あ……俺、次体育じゃん。
ヤッベ……着替えなきゃ!」


音ちゃんのことは考えてほしくない……。

音ちゃんじゃなくて……こっちを見てほしい。


「じゃあな、沢木。
また今度」

「あ……はい」


先輩は焦ったように保健室を出ていった。


残された私は……ある一つの答えにたどり着いた。