「……あ、三上君とかはどうなんでしょう?」

「空?
あー……確かに。
アイツらすげぇ仲良いもんな。
うわっ……俺、ライバル多すぎじゃん……」


………ん?

ライバル……?

……それって………


「もしかして先輩……音ちゃんのこと……好きなんですか?」

「え?」


先輩は少し驚いたような顔をした後……とても優しく微笑んだ。


「……好きだよ。
去年から……ずっと」


その瞬間……心が一気にえぐられたような……そんな切なさと痛みが私の体に走った。


何で……どうしてなの……?


「バカだよなー……俺も。
ずっと一緒にいた幼なじみに勝てるわけなんてないのにな……」


そう切なそうに笑う先輩にギュッと胸が締め付けられて……苦しい。


私……もしかして……

……ううん、そんなはずない。


ただ……先輩が切なそうだから。

だから私までそういう気分になってるだけ。


自分にそう言い聞かせて……私は体育館を後にした。